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コギャル日誌 Part 2 「電話」

電話が鳴っている。

低血圧の家内は一度寝たらめったに起きない。
「 何時だろう?」
次第に覚醒する意識の中で今日は早めに床に着いたことを思い出す。
大きなプレゼンテーションを来週にひかえ、連日の激務で少々ばてていたからだ。だから起きたくなかった。
家内が早く目を覚ましてくれることを願い、また電話もあきらめてくれることを願った。
しかし双方とも頑として期待をかなえてはくれない。
失望と、そして今日が平日であることを思い出し、電話の主への怒りが起床を決断させた。
冷静さを取り繕うことに注意しながら、相手をうかがった。


「白川 恵さんのお宅ですか?」
電話の主は横柄で、冷静で、事務的でこちらの都合など全く気にもとめぬようだ。
「こちらはM警察の交通課ですが、実は恵さんが盗難したバイクで事故をおこしましてね、現在身柄をあずかっております。これから身柄を引き取りに来ていただきたいのですが。」
「体のほうは大したことはないのですが、身元引受けの手続きが必要ですので来ていただきたいのですが。」

あまりの唐突さとショックで容態を尋ねるのが精一杯だった。
時計を見ると12時を回っていた。告げられた警察署に行くには終電ギリギリである。
「明日ではいけませんか?」と言いかけて慌てて口をつぐむ。体にダメージがなかった安心と引き換えに、何度となく繰り返される娘の軽はずみな行動に、またか!と怒りがこみ上げてきたからだ。
そのころには、ただならぬ様子にさすがの家内も起きてきていて傍らでこちらを注視している。
 
家内の目を見ながら、すぐ伺う旨の返答をして受話器を置いた。
家内には警察からの通報の内容を手短に説明し、いっしょに行こうと告げ着替えを促した。
私はベットに倒れこみ、数分の間、ショックと怒りで生じた吐き気がおさまるのを待った。

<続く>

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